バランスーアンバランス 変換機 自作 #2
バランス信号をアンバランス信号に変換するシングルエンド変換機の自作についてその2.
前のエントリで書いた、差動ラインレシーバーのTexas Instruments INA2134PAの動作には、
±4V to ±18Vの両電源が必要になる。
電源には、トランスとダイオードブリッジを使ったシリーズ電源がノイズが少なく、
オーディオ的には高音質と言われている。
シリーズ式の両電源を使ったヘッドフォンアンプを前に自作しているので、その事は実際に体感している。
■両電源ユニット 自作
しかしながらトランスを使うと体積が大きくなって小型ケースには収まらない。
加えて差動合成の変換機にトランスを使って両電源を供給するのはいかにも大げさな感じ。
コスト的にも問題が多い。
したがってトランスを使ったシリーズ式の電源は止めて、スイッチングレギュレーターのタイプの
小型の電源を使うことにした。
選んだのは超ローノイズである事が最大のウリの
■LT3439 超ローノイズDC-DCコンバータモジュール(+12V/-12V)
シリーズレギュレータに匹敵あるいはそれ以上の低ノイズ電源を
スイッチングで実現しました。
単電源から両電源を得られるので高精度オペアンプの電源、
フォトダイオードアンプ、A/D・D/Aコンバータ,
ハイファイオーディオ、物理測定などの電源に最適です。
このクラスの製品は市販品ではないか、特注生産です。
市販品にないクラスの高品質低ノイズ両電源というのは魅力的。
さらにはこの電源基板自体の大きさも非常に小さい。小型ケースに収めるのに好都合。
価格が少々高いが、AC100Vからのシリーズ式両電源よりは結果的にコストは安い。
この電源モジュールで差動ラインレシーバーを動かす事にした。
使われているのは、リニアテクノロジーの超低ノイズ・レギュレータのLT3439
■LT3439
アプリケーションで医療機器や精密機器と示されているので、オーディオ用に使うのは過剰なくらい。
これに外部から5Vを入れて±12Vの両電源を得る。
5VはPCのUSBから取り出す事にした。
USBから5VだけDC電源プラグに変換して取り出すケーブルを別途用意。
PC使用時しかこの変換機は動かさないので、アダプターから5Vを取り出すよりはスマート。
DCジャックやXLRレセプタクルなどのコネクタ類をつけてみるとケースの幅にピッタリと収まった。
バランス-アンバランス変換機の音と、このケースの外見が結構気に入ったので、
このケースに合わせたアンプも自作予定。
音の感想は前エントリに書いた通りで、定位がしっかりとしてビシッとしている。
TASCAM US-2x2 の音声出力の品質は高い。